https://mainichi.jp/articles/20180117/k00/00m/040/076000c
毎日新聞2018年1月16日 19時55分(最終更新 1月16日 22時18分)

ＪＲ西「先月の重大インシデント踏まえ、念のため列車交換」

　１６日午前１１時すぎ、広島県内を走行中の博多発東京行き山陽新幹線上り「のぞみ２０号」（乗客約８００人）で車掌が異音を聞き、姫路駅で臨時停車して床下を点検した。異常は発見されず約２０分後に運転を再開、乗客は新大阪駅で代替列車に乗り換えた。ＪＲ西日本は「先月の重大インシデントを踏まえ、念のため列車を交換した」と説明している。

　ＪＲ西によると、広島駅手前のトンネルを走行中、車掌が最後尾の運転台付近で異音を確認。岡山駅から乗り込んだ車両保守担当者２人も異音を聞き、指令に床下点検を求めた。姫路駅出発後も異音は続いたが、走行に支障がある音ではないとして新大阪まで運転したという。

　一方、新大阪発博多行き下り「こだま７４１号」（乗客約２００人）も１６日午後０時４５分ごろ、新倉敷駅の係員が油のような異臭に気付き、次の福山駅の係員も先頭の１、２号車で異臭を確認。しかし床下点検で異常は確認されず、異臭も消え２８分遅れで運転を再開した。

　山陽新幹線では、異音は昨年４月～１２月１４日に約１００件あり、止めて点検したのはうち１件だけだった。しかし先月１１日の「のぞみ３４号」で、車掌らが異常を確認しながら３時間以上運転を継続。名古屋駅で台車の亀裂が見つかる重大インシデントがあり、ＪＲ西は異常なしと確認できない場合は、ためらわず停止する方針を打ち出している。【根本毅】